11月17日(月)の基礎演習では、久々に議論が盛り上がりました。

みんな、一応は自分の意見というものをもっておりますので、共通の結論はそうそうでるものではありません。

しかし、儂自信としては、議論をしていて自分の考えに不十分な事も多い事に気づかされたこともあり、ここにこうして文章化する事で、一応自分なりの結論にしてみたいと思います。あと、あの場の話し合いで終わらせるには勿体ないという気持ちもあるので。

 

まず、当日の議題を簡潔に。

18人の学生の中で2人の人のレポート(新聞記事をもとに書いたもの)を教材に、三つの班にわかれて議論する。今回は「イラクへの自衛隊派遣を巡る問題」として、朝日と讀賣の記事をとりあげたレポートが使われました。ちなみに讀賣のほうのレポ−トは儂が書いたものです。

記事の主張は、朝日の記事は社説で、自衛隊派遣をするなら根本的な見直しが必要ということと、具体的に復興支援で何をするかということの小泉首相の説明責任を問うている。

讀賣はルポルタージュで、自衛隊派遣予定地のサマワという町を取材したものだ。

 

議論は、儂の班では自衛隊派遣の必要性からはじまり、現地の治安情勢と自衛隊の安全確保や具体的な活動内容まで、色々と話し合いました。記事は双方とも、ほぼ派遣を前提としたものだったのですが、我々の班の司会者がそもそも自衛隊派遣反対論者なので、一歩戻ったところから話し合いました。

 

以下に、儂が議論中に考え、述べた事、またそのときは考えつかなかった事、時間の都合で述べきれなかった事を記します。全てがリンクしている内容ってわけではないので箇条書きで勘弁して下さい。

立場としては、イラク戦争には反対だが、日本はそれを支持した手前、復興支援を手伝わないわけにはいかないし、それも金で済むことではない。「人手」が不足しているのだから、それを送るべき。(自分の真面目な意見なので、一人称は私にさせてもらいます。あしからず。)

 

・朝日の記事では、首相の説明が足りないという指摘がされている。これは、国民に対する責任としての問題である部分が大きい。この意見には賛成できる。首相の現状認識の甘さも批判されて然りだろう。

 ただ、私は自衛隊員に対する説明というものが必要なのではないかと考える。その理由の第一として、今の自衛隊は、日本という国を(外の脅威から)護るためとか、災害のときに役に立ちたいといった理由で志願し、入隊した人達で構成される。今回のこのような事態は、想定していないことだろう。今回は、PKOともかなり異なる事情のもとにある。率直に言って、犠牲者が出るのは確実だ。

しかし、その彼等は、なんのために死んでゆくのか?

大義名分も無い死を、彼等は受け入れられるだろうか。自衛隊員に「死ぬための」大義名分を与えるためにも、その指揮官たる首相は、少なくとも自衛隊員に対しては説明責任を果たして欲しい。

・朝日は、現地にイラク人による政府を作り、それによってテロを押さえ込むことがよいとしているが、果たしてそれは現実的だろうか。政府を作るといっても、早々すぐにテロを(国際的な協力もした上で)押さえ込めるような強力な力を持った政府を作ることなど不可能だ。しかもそれは、最悪、フセインの再来となってしまう。私は、イラクは他民族国家であるし、今も地方により治安情勢などが異なることも鑑みて、できる地方ごとに復興をすすめ、連邦国家のような形ができないだろうかと考える。最悪、現在のイラクという国家の枠組みを崩すようなことになるとしても(それは勿論、重大な内政干渉にあたるし、植民地主義の再来とか批判を受けるだろうけど)。

(多くの途上国・後進国にいえることだが、近代国家の構成要件たる「国民」というものがいない。極端な話、「イラクの住民」はいても「イラク国民」はいないのではないだろうか。だから、統合の象徴としてフセインが居たのであり、表向きは統一されていたのである。)

・讀賣の記事により、現在のイラク・サマワ市周辺は安全(現在、8月から蘭軍が駐留しているが、攻撃を受けたことはない)であり、住民も日本の支援を望んでいることがわかった。住民の望みは、フセイン時代に発展から取り残され(ここの住民はシーア派イスラム教徒が大多数)、また戦争で破壊されたものの整備と復興である。

 なぜ復興支援(インフラ整備)が自衛隊かといえば、そもそも軍隊である自衛隊は、部隊として「自己完結性」があり、建築にしろ医療にしろ、一つの纏まった指揮系統の中でそれをこなす事ができる。勿論、危険な現地で自分の身を自分で守ることができることも、大きな理由だろう。

・米国の要請でイラクに派兵するわけだが、一方的に米国に従うのではなく、もっと見返りを要求すべきだと思う。同盟関係とはそういうものではなかろうか。やましいことなど全くない。具体的には、石油や経済的な要求でも良い。もっと強く言えるのなら、横田空域くらい返してもらってもよいのではないか。

 

(次のは、かなり勝手な解釈です)

・なし崩し的に進んでゆくイラクへの自衛隊派遣。政府には、自衛隊員に犠牲を出すことで、自衛隊を「普通の」軍隊にしたいという意図があるように思える。戦死者を出す事で、自衛隊が他国の軍隊と同様のものであることを、政府は示したいのではなかろうか。私は、自衛隊を軍隊にすることは容認できるが(憲法にすら記されていない現状は、少なくとも変えるべき。)、方法がやはり許せない。

 

とまあ、こんなようなことを考えました。後期末のレポートは、この辺をテーマに書きたいと思いました。(あわよくば10万円が…)

感想・疑問・反論・質問を是非お願いします。掲示板に書いてくれても、メールでもどちらでも構いません。もっと色々な意見を聞きたいし、考えを深めたいと思いますので。

以上の内容は、様々な学者・政治家の意見・考えの影響を受けているけれど、儂の言葉で書いたものです。もし引用するようなことがあるようでしたら、一言断って下さい。

 

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